あか速

あか(鈍)速

この水に落ちたらきっと助からない

なぜか福井出身の友達に教えられた魚津埋没林博物館。地元だとわざわざ観光スポットを探さないので、全く知らなかった。みんな口々に「怖い」ともらすのでアングラ好きとして一度は行ってみたかった。

植物だけど人に近いものが居た。
あった、の方が正しいんだろうけど、居た、の表現の方が相応しいと思った。

きれいな深層水に浸されていたため、腐食せずそのままの姿で見つかった大木たち。
かつて生きていた、死んだ木。いや今も生きているように見えるし眠っているだけにも思える。
私のことを見ているようで見ていない。

水中埋没林は最後に行ってほしい。
地下から水面を眺めると、底に沈む埋没林が映る。上昇していく気泡、それに向かう虚像の気泡がお互いを求め合うように近づき、ようやく出会い、弾け消える。とてもきれいだったので、いつか絶対、大きな水槽に木だけを入れて飼おうと決めた。

魚津は落ち着くところだ。波の音とミラージュランドから幽かに聞こえる明るいBGMがなんとも寂しく、どうしようもない気持ちになる。
色んなものをあそこに置いてきて、身軽になって飛び出したい。そして何度でも帰りたい。

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